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2021年共通テストの追試選択は有利になるのか

コロナウイルスの影響で、うしろ倒しにするかも、といわれていた新・共通テストの本試験は予定通りの日程となりました。

 

ただし、追試が本試験から2週間後の1月30、31日に(通常の追試は本試の1週間後)。さらに出願時に最初から追試を選択できるようにし、さらに病気などで追試が受けられなかった場合に備えて2月にもいわゆる「追・追試」を設定することになると報道がありました。

 

これは・・・と一瞬絶句。

 

『1月30、31日に追試』


『出願時から追試が選択できる』


『2月に追試の追試を設ける』

 

受験生の救済措置としては、とてもまずい手です。

 

共通テストの日程がうしろに延期できないのは最初から誰でも予想できていたとしても、まさか追試を「選択制」にしてしまうとは。。。(現場を知らない人であればその気持ちとか発想はとてもよくわかるんだけど)。

 

高校生の中には本試と追試の違いがよくわかっていなくて、単純に「試験日が先延ばしできる~!」と喜んで安易に追試を選んでしまう人が出てくるはず。

 しかし共通テストは定期テストとは違うから、 1週間や2週間の時間ができたところで総得点が上がることは考えにくく、追試の問題の性質上むしろ点数が下がってしまう可能性が

 

・・・と思って危惧していたら、全然ちがう。

 

発表があり、

 

『第2日程の難易度は第1日程と同じとし、得点調整はしない』

 

えっ?難易度が同じ???

 

本試と追試の難易度が同じで、試験が2週間後・・・

となると、本試は何のためにあるのか もうよくわからなくなります。

 

暗記科目は今日勉強したらもう明日には得点できる可能性が高い分野です。それが2週間もプラスされれば、地理Bや政経・生物化学…と暗記科目の得点はまだまだ伸ばすことが可能になります。

 

特に難関国公立大入試は1桁・数点で落ちる人がゴロゴロいる世界です。ほんのわずか数点で人生が変わることもあるわけです。2週間はバカでかいのです。(漢文なんて2週間『漢文ゴロゴ』やればどんだけ・・・。)

 

1月30日・31日にどうしても受験したくて優先順位の高い私大がない限り、国公立大受験生の大多数は『追試(第二日程)』に流れるんじゃないでしょうか。

 

 

たとえば、関西の超メジャー近畿大龍谷大は1月30・31日が一般入試日程になります。

 

中堅国公立大受験者の心理としては、今回の共通テストは、わけがわからないのでとてもこわいのです。

特に数学ⅠA・英語(筆記もリスニングも)・国語(現代文)は、センター試験とは大きく出題形式が変わり、当日 自分が何点とれるのか想像がつかない。また、何点が志望校の目安の得点も今のところよくわからない。

 

そこで考えるのは、「国公立がダメだったときはあわよくば産近甲龍には合格しておきたい」です。だからできるだけチャンスはひとつも無駄にしたくない。

 

ふだん8科目も勉強している普通の国公立大受験者にとっては、最後の砦の一角・近大龍大は誰しもがおさえておきたいところです。が、国公立大受験にあきらかに有利になる『追試(第二日程)』を選んでしまった時点で、近大・龍大のチャンスが激減してしまいます。

 

優先順位はあくまで国公立大なので、非常に悩ましいところです。
 

 

今回の追試と追試措置は、受験生に配慮する気持ちはとてもありがたいことで批判するのもはばかられるのですが、配慮の内容が逆に受験生に大迷惑になってしまっているという・・・。

 

 

 

じゃあ、どうするのが一番「マシ」なんでしょうか。

 

今回のコロナウイルスは「不慮の事故」です。それぞれの生徒の環境によってどうしても差が出てしまう。

 

その中で考えられる一番マシな方法は「試験範囲の縮小」の1本化しかないのでは?と思うのです。

 

必ずしもベストな方法かどうかはわからないのですが、これなら日程はいじらなくてすむので、少なくとも受験の機会は減りません。

 

たとえば、

 

数Ⅲ「微積
物理「電磁気」「原子」
日本史・世界史「近現代」


など、高3後半の学習内容をカットして出題することにします。

 

もっと単純にいうと、日程も出題形式も全部そのまんま、コロナで休校になった約2か月のカリキュラム分、出題範囲のうしろから2か月分を削除する。

 

これは共通テストだけでなく2次試験も、また私大も協力していただく必要があります。

 

試験内容としては一番試したい、一番外せないところでありますが「不慮のアクシデント」のため、やむなく今回に限り…ということで文科省なりが要請して各大学が協力・統一できれば、それだけで被害が最小限にすむように思います。

 

この要請ならわりとすんなりと各大学が協力してくれるような気がするし、何よりも調整が速い。

なぜなら、要請に応じる側の大学のオペレーションとしては、たとえば物理の入試問題で出題予定だった『原子』の単元の大問を、予備で作問していた『熱力学』の大問に差し替えるだけで済みます。

 

共通テストの日程なんていじってしまうと、こうはいかない。 

 

全国の大学の数は決まっているのだから、各科目で縮小する単元を確定したあとは「試験範囲の縮小」を要請し、一定期間おいたらすぐに1校1校 順に確約をとってリストアップして発表していく。

これだと、要請どおり出題範囲を縮小措置する大学とそうでない大学が一目でわかるので、受験生が出願の目安にできる。

 

でも、発表であったように日程をいじるとか、出題形式をいじる(記述→選択問題)とかいうことになってくると、外側から見てなんとなくおさまった体(てい)になるかもしれませんが、個人個人はむちゃくちゃ混乱することになります。

 

 

今回は緊急で特別措置の再考をお願いしたいところです。

まだぎりぎり間に合います。

 

★日程は例年どおりそのまま(いじらない)。

 

★出題範囲だけ2~3か月分 縮小(出題形式はいじらない)。

 

★共通テストの中味をまるまるセンター試験に戻す(名前は「共通テスト」でもいいから)。