2分で読める★大学受験のコッツン!京都編

小・中学生から始める大学受験のコツ。成績下位の人向け勉強法

2年ぶり・・・あらためて、はじめに

小・中学生から始める『大学受験のコッツン』。久しぶりに、再開。

 

ここで書く記事は机上の空論を排除し、現場(塾)経験を基にした手法を中心に記していきます。

 

「なんとかして成績を上げたいが全然上がらない・どうしたらいいかわからない!」ともがき苦むんでいる人にとっては福音となる情報が満載のブログになると信じています。

 

なお、成績下位の人・勉強が苦手な人向けの手法が中心となるので、いわゆる東大・京大生など「勉強エリート」のかたが教える手法とはかなり違う、ドロ臭いものが多くなると思います(スマートさはたぶん、ありません)。

 

下記は、こんな記事を書こうかなあ・・・というメモの一部です。実際に書くかは気分次第ですが期待して待ってください。 ダメ元で何かリクエストがあればお知らせいただいてもけっこうです。 では、お楽しみに!

 

1200英単語を最速2か月で100%覚える方法/京大・同志社大合格に必要な英単語すべてを最速2ヶ月で覚える方法/英語長文を3ヶ月で入試レベルまで読解できる方法/古文で本文すら読まずに5~7割得点する方法/共通テストの漢文で満点をとる勉強方法/実は1か月で現代文(評論)がコンスタントに9割~満点とれるようになる勉強法/数学ⅠAを3か月でマスターする方法とその教材/入試数学ⅠAⅡBで確実に成績をあげる最も楽な勉強方法/公民を最短で入試レベルに引き上げ関関同立産近佛龍に合格する方法/勉強の集中力を一気にあげる方法/国公立大受験のある科目を1日で20点あげてぎりぎり合格した方法/国公立大2次試験の英作文で確実に合格得点をおさえるテクニック/計算ミスを激減させて得点を2割あげた方法/大学受験に最高の問題集とは?英語・数学編 /自分が文系なのか理系なのかを判断する方法/ヤル気が起きないときの対処法/一瞬で集中力を高める方法/朝起きられる方法/姿勢を変えるだけで集中力が変わる?姿勢をよくする方法/ボ~ッと見るだけの英語長文読解法/英作文を先生に添削してもらわずひとりでカンタンに勉強する方法/日本史・世界史の流れを覚える方法/受験当日の朝、気持ちで負けない方法/10か月で立命館(文系)に合格する方法  ・・・他

産近甲龍に落ちて共通テストの英語で5割。でも同志社に合格する理由

 

 

産近甲龍に落ちて共通テストの得点は5~6割、でも同志社に合格する受験生は確実に一定数います。

 

一般的に考えると、とても変な感じがします。 なぜこんなことが起こるのでしょうか。

 

原因の多くは、入試問題のタイプ受験生の偏った得意分野によるものと考えられます。

 

特に英語です。

 

私大の選択肢型の英語に関していうと、タイプは大きく分けて3つあります。

 

①産龍・立命 (標準タイプ型。ほどんどの私大はこれ)

 

②共通テスト型(新タイプ)

 

同志社

 

 

 

①の産龍・立命型は、いわゆる「受験英語」。

 

断片的な知識で得点できる問題の割合が高く、語学としての英語の力が弱くても努力の力技で合格ラインに持っていくことが可能なタイプの入試問題です。

 

語学的なセンスがなくてもコツコツ努力を積み重ねれば、多くの人にチャンスが訪れます。

 

特に京産大の11月入試はこの傾向が顕著です。

 

断片的な知識だけで5割以上の得点が可能となるため、猛烈に勉強さえすれば英語が苦手でも比較的短い期間で合格を勝ち取ることも可能です。

 

 

②の共通テスト型は新タイプ。

 

①のタイプとは非常に対照的です。

 

こちらは、断片的な知識はイマイチ、コツコツ努力の積み重ねが足りなかった人でも、大きく得点できる可能性があるというトンデモナイ(?)入試です。

 

ただし、地力(じりき)・地頭(じあたま)・語学センス・幼少から小学生にかけての経験値などが効いてくる問題ともいえ、ちょっとやそっとの努力ではなんともならないこともあります。 問題の性質上、難関中学入試を経験してきた人なら特別な対策もなく高得点をあげてしまうこともあります。

 

制限時間内に通常では読めないような膨大な文字量を読ませて処理させるという、まるでスピード競争・速読競争のような入試問題です。

が、文章・設問自体の難易度が高くないので、文字を自然に高速に読む人にとっては文字量が障壁にならず何が難しいのか気づかないということもあるようです。

 

 

 

同志社

 

①、②のいずれとも対照的です。

 

同志社の英語は、高校レベルを超える難単語(大学・英検準1級レベル)を散りばめたアカデミックで重厚な超長文がメインです。 高校生であればいくら背伸びして強がってみても「やさしい」と言い切るにはちょっと無理があります。

 

ひたすら長文読解に加え記述の和訳・英作。 小手先の学力ではまったく通用しません。

 

ただ、タイプ①によくある、断片的な知識問題はほぼ皆無。 いわゆる「受験英語(文法・語法を直接問う問題、カッコ抜き・並べ替えなど、受験でしかありえない英語)の勉強が苦手でもほとんど影響がありません。

 

同志社英語は、タイプ②のような速読、スピード読みも不要。 1000語をこえる超長文ではあるものの試験時間が十分あるので、比較的落ち着いて読むことができます。 (仮に共通テスト・スピードで同志社の英語をやってみると、試験時間は少なくとも30分は余ることになるでしょう。)

 

タイプ①②の問題は苦手だが、タイプ③に偏って得意、という人がいます。

 

つまり、シス単の第4章までの難単語を完璧に覚え込み、長文読解が得意、英作文や英文解釈(和訳)にも長けている。 しかし、読むスピードはそれほど速くない。 チマチマした文法・語法・イディオムを扱った空所補充(カッコぬき)や整序問題(並べ替え)は大の苦手。 そういうタイプの人です。

 

こういうタイプの人であれば 京産龍谷に苦戦し、 共通テストの得点で5割そこそこ、 にもかかわらず同志社の英語は9割5分正解して合格、 そんな一見不可解なことが起こりえるのです。 なんとも不思議なものです。

 

 

では、このようなやや特殊な事例から、一体何を学べるのでしょうか?

 

まず、予備校の偏差値・ランキング表を見て上だ下だと騒ぐことがあまり意味をなさないことがわかります。なぜなら模試の偏差値は、ある特定のタイプの問題の結果を輪切りにしたものだからです。

 

また、志望校を確実に合格するための基準が模試ではなく(多くの高校生がこれを基準にする)大学の入試問題そのもの(過去問)にある、という当たり前のことがリアルにわかりますね。

 

過去問の出題形式に沿った最適な戦略を立てて勉強することが合格への最短距離であるということです。

(もちろんいろんな形式どれも得意で、すべて合格するのが一番いいのですが!)

 

 

※ ちなみに、入試問題のタイプは常に①と②と③の3種類に単純に分けられるとは限りません。 たとえば関西大のように①と③の組み合わせ・中間のようなケースもあります。

入試直前で暗記系科目の過去問演習は最悪の勉強法かも

 

 

受験直前の時期になると「最後の詰め」と称して、地歴公民や生物化学など暗記系科目の過去問を必死にやり出す人がいます。 しかし・・・

 

今やっているその過去問の中から、本番の入試で同じ問題が出る確率は限りなくゼロに近い・・・というか、まず、出ないでしょう。。。

 

つまり、その科目の中で一番出る確率が低い問題に、残りわずかな、最後の命綱になる時間を突っ込んでいる、ということになります(やっているのが10年以上昔の過去問であるなら話は少しちがいます)。

 

ためしに去年の過去問と、それより前2,3年の過去問を突き合わせてみるとよくわかります。

 

・・・これと同じことが今年の本番でも起こるわけです。

 

多くの人が意識する・しないにかかわらず、自分の精神的な安心のために・・・ つまり、『不安を払拭する』目的のためだけに、「最後の詰め」と称して ひたすら直近の過去問をやることに残された最後の時間をぶっこんでしまう(無駄な時間がどんどん費やされていく)。

 

「去年と同じ問題は出ない?そんなことはわかっている!」と誰しも言います。 頭ではわかっている、誰でも。

 

「え!今年は去年と同じ問題、出ないの?」 っていう人はひとりもいないはず。。。 (定期テストじゃないんだから!)

 

そう、去年と同じ問題は、出ない。 そんなことはわかりきっている。

 

それでも! 過去問をせずにはいられない。 過去問から離れられない。 ただただ不安で、 過去問で気持ちを落ち着ける以外、 何をしたらいいのかすらわからなくなってしまってる。

 

入試直前、1点でも得点を上げたいこの時期に、 得点アップから一番遠いと自分でもわかっている過去問に集中してしまう。 わかっているのに・・・やめられない、止まらない!(かっぱえびせん?!)

 

これはまさに、行動の目的が『不安を取り除きたい・安心したい』だけになってしまっていることの証左かもしれません。

 

じゃあ、入試直前は過去問はさわらないほうがいいの?

 いやいや、実は・・・

 

 直前の過去問演習も、ほんのちょっと頭を使ってやり方をひと工夫すれば、悪いものではありません。 いや、悪くないどころか・・・とんでもなく威力を発揮してくれる可能性を秘めています。 不合格が合格に変わってしまうほどの。

 

この時期の過去問は、やり方が大事。 上手にやれば本番で5点、10点、20点が加点されるやり方もあることはあるのです。

 

それを理解した上で、工夫をこらして過去問に取り組んでいる人も、たまにですが、います。

 

地歴公民や生物などの暗記系科目は、1週間あればそれなりに得点を上げられる可能性を秘めています。 簡単ではないかもしれないけど、可能性は本当に、ある。

 

では、入試直前の過去問、効果的な使い方って?

 

ヒントになりそうな例をあげてみると・・・

 

『誤りの選択肢』がカギになるかもしれない。

 

2010年以前~90年代の過去問も、いいですね。

 

あと、暗記系以外の科目で物理なら頻出分野の傾向分析。 毎年必ず出題されている分野と、その逆にここ3年出題されていない分野。 これを、見ていく

 

入試直前の効果的な勉強法については、また別の機会に公開してみたいと思います。

 

 

 

関関同立入試の10連チャンってしんどいの?!

 

 

同志社を筆頭に、関関同立を第一志望にしている人は毎年、2月1日から10連チャン試験になります(文系の場合)。

 

「10日間連続で受験する」というと、学校の先生やまわりの大人から「しんどいから途中に1日休みを作ったほうがいいのでは?」と言われるかもしれませんね。

 

でも、本当に入試10連チャンって、しんどいの?

 

 

 

結論からいうと「人による」ということになります。

 

しかし、京都や大阪など都市部に住んでいて、試験当日に自宅から試験会場に行ける人は「しんどい」ということは実際、ほとんどないようです。

 

試験はたったの3教科朝もゆっくり、昼過ぎに終わる。試験の合間に十分な休憩時間もあります。

 

しかも解き終わった後で答え合わせする必要も、やった内容を暗記する必要もありません。

 

ただ、解きっぱなし。

 

今まで長時間の激しい受験勉強をしてきた人が、これ、疲れるかなあ。

 

文系の場合に至っては3教科目は地歴公。

 

科目の性質上、「知っているか・知らないか」だけなので、ほとんど頭を回転させることもないし、通常であれば制限時間をもてあまします。(文系数学での受験の人は別。)

 

関関同立10連チャンの期間中は、家に帰って軽めのメニューで勉強した後、軽く運動もしておく。 ご飯を食べてゆっくりお風呂に入り、体を休め、ぼーっとして、早めに寝る。

 

やってみたらすぐにわかるけど、全然疲れない。 っていうか、学校ある日より楽かもしれない!

 

ふだん学校がある日は朝早く起きて1時間目から6、7時間目までみっちり勉強。 ほとんどすべて新しく習う範囲か、問題演習。キツイ。 家に帰ってもみっちり受験勉強。

 

過ごしてきた日々に比べると…入試期間中って、考えてみたら案外ラクチンなのかも。

 

 

 

関関同立10連チャンしんどい!って思ってしまうのは、ずらーっと書き込まれたカレンダーを「通し」で見るから。

 

ぎゅっと書き込まれたスケジュール見てると息が詰まりそうになる人もいるでしょうね。

 

でも実際おとずれるのは、1日、1日。  目の前の1日だけをこなせばいいだけ。

 

むしろ、日に日に試験に慣れてくる。 問題が見えてくる。 やる気がみなぎってくる!!!

 

 

 

関関同立10連チャンしんどい!って思ってしまうのは、未知の環境がこわいから。

 

知らない場所で毎日緊張の大学受験(←イメージ)。 精神的につらくなるのでは?と心配になってくる。

 

でも、だいじょうぶ。

 

ガチガチに緊張できるのはせいぜい初日くらい。 よく続いて2、3日。それ以上、続かない。 4日も5日も連続してフレッシュに緊張しろといわれても、逆にできない。

 

 

 

関関同立10連チャンしんどい!って想像してしまうのは、テストテストの毎日が、強いられた定期テストや模試のイメージとかぶってしまうから。

 

でも、それはちがう。 全然ちがう。 絶対にちがう。 そこだけは根本的にちがう。

 

だって、この10連チャンのテストで、たった1日まぐれでもいいから(!)いい点がとれたら、今までの定期テストや模試、受験勉強が一気にむくわれることになるから。

 

4月からあこがれの関関同立のキャンパスに通えることになるから。

 

つまり、今回ばかりは希望に満ち溢れたテストだということ。 テストの持つ意味が全然ちがう。

 

 

 

今まで目標にしてがんばってきた関関同立のまさに試験日に「ナカ休み」と称して家でゴロゴロ。

 

人生をかけた(?)試合の日に、ライバルが試合しているまさにその最中(さなか)に、家でゴロゴロって、それってどうなん。。

 

かといって、体を休める目的でわざわざ試合棄権までして家にいるのに、ガッツリ受験勉強してしまったら試験受けに行くより疲れてしまうから意味ないでしょ!ってことになる。

 

 

部活やりたいのに早めに引退して、

コンサート行くのがまんして、

花火大会がまんして、

ハロウィンがまんして、

クリパもがまんして、

初もうでもがまん、、、

 

それって一体、何のためだったよ??? 

って、今一度、考えてみる。

 

関関同立の10連チャンはきっとしんどいから、ナカ休みで4日目は試験行かずに家にいる~!』はまさに『盾と矛』。

 

 

 

関関同立、10回もチャンスあるのにナカ休み?アホなこと言わないて下さい!」と言った人がいる。

 

アホいうなと。

 

ナメんなと。

 

それくらい『強い気持ち』で試験の挑むなら、ちょっとカッコいい。

 

 

「え~?入試10連チャンしんどい~」

って、喉元でうにゃうにゃ言うてるより、

 

「 20連チャンでも楽勝です!まだまだいけます!えっ10でいいんですか? 」

って余力マンマンに、下腹からつぶやくくらいの強い気持ちでカッコよくいきたい、できれば。 (気持ちぐらい強くもたないと、あと何で勝つ・・・!)

 

 

 

気が弱い人は

 

「10日も連続して試験受けたらしんどいよ、1日休み入れなよ」

 

と親や先生、友達に言われると、一気に気が弱くなる。不安になる。自信が揺らぎだす。

 

そして「どの日を休もう?」と、試合放棄する日を考えるのに時間を費やし始める。

 

「連続試験はしんどい」というワードが勝手に頭の中でリフレインして固着し、暗示にかかってしまう。

 

そして実際の試験が始まると、3、4日目にもなると暗示通り、息があがってしまう。

 

申し訳ないけれど関関同立の試験なんて、 クジじゃあるまいし10回受けたからといって、 ひとつも合格しない。

 

きれいに、気持ちいいほどきれいに、全部落ちる。

 

それが普通。それが標準。

 

たったひとつでも合格したら大成功の世界(一部の人たちを除く)。

 

たったひとつを獲りにいくつもりで行く。

 

たったひとつを獲るのだから、たった1日でも休めない、ということになる。

 

 

 

無責任で根拠のない暗示にかかってしまい、みすみすチャンスを1回分、のがしそうになる。

 

でも、 その休みかけた1回の試験をなんとか踏みとどまってがんばったからこそ今、あこがれだったあの大学のキャンパスの芝生の上に、ほら、こんな感じで寝っ転がっていられる。

 

・・・とまあ、そんな妄想を楽しみながら、試験の準備を淡々と進めていく自分がそこにいる。

 

 

勉強がんばる!で酔っぱらう

『勉強がんばる!!!』 と口癖のように言っていると、がんばっている体(てい)の自分に酔ってしまって何も始まらないことがよくあります。

 

『がんばる』ときは『がんばる』内容をすべて「定量化」して日別で「記録」すると、あとで検証できるので、改善もできるしさらに進化もできます。

 

たとえば具体的にいうと 「勉強がんばる!(何をがんばるかというと)英単語1日100個おぼえる!」 のようにして毎日記録することにしていけば、もしそれが続かなかったとしても、分量を減らすとか単語の難易度を下げるとかやる時間帯を決めるとか、いろんな改善・工夫ができて、自分だけの勉強法が進化し定着していきます。

 

「勉強がんばる!!!」と決心したあと、 「では具体的に、何をどれだけ?」と自分にツッコミを入れてみます。

 

これに答えらえない場合は、『がんばろうとしている自分』に酔っているだけの可能性あり。

 

それに気づくことさえできればこっちのもの!

(ほとんどは気づかないまま1年、2年が過ぎてしまう。)

 

「今まではダメだったけど、もう勉強やるって決心したし、これから絶対がんばるから。だからこれでもう大丈夫!」 として自分をだまして安心させてさらに酔っぱらう、みたいなことになっています。

 

志望校をカッコいい大学にして、志望校をまわりの友だちに言ってまわっているだけでも、酔っぱらってしまう。

 

目指してがんばっている自分に酔うし、そのカッコいい ブランド大学に通っているイメージの自分に、酔う。

 

「じゃあ、いますぐ必要な勉強をしてみよう、ハイ、英単語100個おぼえて!」 と自分に鋭いツッコミ入れてみる。

 

筋肉がフニャフニャ~ってなって「あとで」ってなったら、ほぼ間違いなく「がんばる」は妄想。

 

共通テスト対策でセンター試験の過去問を使う

 

共通テスト対策の英語(筆記)には、市販されている『共通テスト対策』とタイトルがついた問題集も悪くないですが、もっといいのはセンター過去問の後半(第4問、5問、6問)です。

 

高校生の子たちは、センター試験が共通テストに変わるので、本屋さんに行くと迷わず『共通テスト対策』とタイトルがついた問題集を買ってしまいます。

 

まさか今のタイミングで古い『センター試験』の過去問なんて買わないですよね、そりゃそうです。

 

しかし、共通テスト対策本、その中身は・・・

 

 

 

まず、共通テストの問題を作るのは大学入試センターです。

つまり、センター試験の作問をしていたところと、製造元に変わりがないわけです。

(ごくたま~に、ベネッセが作問すると勘違いしている高校生が!!)

 

大学入試センターが作る英語の試験(筆記)は、毎年の平均点が芸術的と言えるほどぴったりと揃えられています。

 

ここ10年くらいの推移を見ても、200点満点の筆記で誤差10点ほどのレンジです。(2017・18・19年は3年連続「123点」!!)

 

これは各設問が、過去の正答率の膨大なデータに基づいて精密に1問1問 配置されていることの表れだと思います。(数学や国語は平均点が年によってもう少しブレます。)

 

なんといっても日本最大の受験者数から抽出したデータです。それが90年代から今までずっと蓄積しているわけですから、データとしては最強なわけです。

 

しかし、センター試験から共通テストに変わることで、試行テストの形式のままいくとすると、英語(筆記)の平均点でついに5割を切ることもありうると予想できます。

 

いままでの第1問・2問・3問のような単発問題(発音アクセント、文法・語法問題の短文問題、整序問題など)がなくなることで、短時間でサクッと得点できる分野がなくなってしまうことが理由のひとつです。

 

もうひとつの理由は制限時間。

 

圧倒的に文字数が増えてしまうため、ただでさえセンター英語のときから時間がカツカツ気味だったのが、さらに時間が足りなくなる受験生が増えると思われます。第6問までたどりつけない。

  

これらの理由によって、得点できない人が平均点をぎゅーっと押し下げることになるので、予想される平均点は5割ちょいか、場合によっては4割後半になるかもしれません。(実際すでに共通テスト模試では平均点4割台もあるようです。)

 

平均点で5割を切るような国立大の1次試験の英語って・・・そんなものがもし存在するなら、なんだかゲソっとしますね。 脱力・・・。

 

「さすがに国公立大学の1次試験の英語で平均点5割を切る作問はまずい・・・」

 

もし大学入試センターがそう考えるすれば、お得意の膨大なセンター試験のデータを駆使して、せめて平均点が5割後半くらいになるように、芸術的に設問配置をすると思うのです。

 

つまり、センター試験の第4・5・6問で受験生の正答率が高かった問題パターン(単語・語いのレベルと設問形式)がとても参考になる、ということです。

 

となると、過去のセンター試験の第4・5・6問を分析して最低限どのレベルの設問を落とさないようにトレーニングするか、どの程度の知識を固めておくかが見えてきます。

 

市販されている「共通テスト対策問題集」は、外見は共通テストの傾向に沿った形に似せられて作られていますが玉石混合です。

大手予備校が出版しているからといって必ずしもいいものとも限りません。

高校生が対策問題集としていいものを選ぶのは無理でしょう(いや、プロでも難しいですけど! なんせ過去問はおろか試験サンプルすらないですから…)

 

2021年共通テストの追試選択は有利になるのか

コロナウイルスの影響で、うしろ倒しにするかも、といわれていた新・共通テストの本試験は予定通りの日程となりました。

 

ただし、追試が本試験から2週間後の1月30、31日に(通常の追試は本試の1週間後)。さらに出願時に最初から追試を選択できるようにし、さらに病気などで追試が受けられなかった場合に備えて2月にもいわゆる「追・追試」を設定することになると報道がありました。

 

これは・・・と一瞬絶句。

 

『1月30、31日に追試』


『出願時から追試が選択できる』


『2月に追試の追試を設ける』

 

受験生の救済措置としては、とてもまずい手です。

 

共通テストの日程がうしろに延期できないのは最初から誰でも予想できていたとしても、まさか追試を「選択制」にしてしまうとは。。。(現場を知らない人であればその気持ちとか発想はとてもよくわかるんだけど)。

 

高校生の中には本試と追試の違いがよくわかっていなくて、単純に「試験日が先延ばしできる~!」と喜んで安易に追試を選んでしまう人が出てくるはず。

 しかし共通テストは定期テストとは違うから、 1週間や2週間の時間ができたところで総得点が上がることは考えにくく、追試の問題の性質上むしろ点数が下がってしまう可能性が

 

・・・と思って危惧していたら、全然ちがう。

 

発表があり、

 

『第2日程の難易度は第1日程と同じとし、得点調整はしない』

 

えっ?難易度が同じ???

 

本試と追試の難易度が同じで、試験が2週間後・・・

となると、本試は何のためにあるのか もうよくわからなくなります。

 

暗記科目は今日勉強したらもう明日には得点できる可能性が高い分野です。それが2週間もプラスされれば、地理Bや政経・生物化学…と暗記科目の得点はまだまだ伸ばすことが可能になります。

 

特に難関国公立大入試は1桁・数点で落ちる人がゴロゴロいる世界です。ほんのわずか数点で人生が変わることもあるわけです。2週間はバカでかいのです。(漢文なんて2週間『漢文ゴロゴ』やればどんだけ・・・。)

 

1月30日・31日にどうしても受験したくて優先順位の高い私大がない限り、国公立大受験生の大多数は『追試(第二日程)』に流れるんじゃないでしょうか。

 

 

たとえば、関西の超メジャー近畿大龍谷大は1月30・31日が一般入試日程になります。

 

中堅国公立大受験者の心理としては、今回の共通テストは、わけがわからないのでとてもこわいのです。

特に数学ⅠA・英語(筆記もリスニングも)・国語(現代文)は、センター試験とは大きく出題形式が変わり、当日 自分が何点とれるのか想像がつかない。また、何点が志望校の目安の得点も今のところよくわからない。

 

そこで考えるのは、「国公立がダメだったときはあわよくば産近甲龍には合格しておきたい」です。だからできるだけチャンスはひとつも無駄にしたくない。

 

ふだん8科目も勉強している普通の国公立大受験者にとっては、最後の砦の一角・近大龍大は誰しもがおさえておきたいところです。が、国公立大受験にあきらかに有利になる『追試(第二日程)』を選んでしまった時点で、近大・龍大のチャンスが激減してしまいます。

 

優先順位はあくまで国公立大なので、非常に悩ましいところです。
 

 

今回の追試と追試措置は、受験生に配慮する気持ちはとてもありがたいことで批判するのもはばかられるのですが、配慮の内容が逆に受験生に大迷惑になってしまっているという・・・。

 

 

 

じゃあ、どうするのが一番「マシ」なんでしょうか。

 

今回のコロナウイルスは「不慮の事故」です。それぞれの生徒の環境によってどうしても差が出てしまう。

 

その中で考えられる一番マシな方法は「試験範囲の縮小」の1本化しかないのでは?と思うのです。

 

必ずしもベストな方法かどうかはわからないのですが、これなら日程はいじらなくてすむので、少なくとも受験の機会は減りません。

 

たとえば、

 

数Ⅲ「微積
物理「電磁気」「原子」
日本史・世界史「近現代」


など、高3後半の学習内容をカットして出題することにします。

 

もっと単純にいうと、日程も出題形式も全部そのまんま、コロナで休校になった約2か月のカリキュラム分、出題範囲のうしろから2か月分を削除する。

 

これは共通テストだけでなく2次試験も、また私大も協力していただく必要があります。

 

試験内容としては一番試したい、一番外せないところでありますが「不慮のアクシデント」のため、やむなく今回に限り…ということで文科省なりが要請して各大学が協力・統一できれば、それだけで被害が最小限にすむように思います。

 

この要請ならわりとすんなりと各大学が協力してくれるような気がするし、何よりも調整が速い。

なぜなら、要請に応じる側の大学のオペレーションとしては、たとえば物理の入試問題で出題予定だった『原子』の単元の大問を、予備で作問していた『熱力学』の大問に差し替えるだけで済みます。

 

共通テストの日程なんていじってしまうと、こうはいかない。 

 

全国の大学の数は決まっているのだから、各科目で縮小する単元を確定したあとは「試験範囲の縮小」を要請し、一定期間おいたらすぐに1校1校 順に確約をとってリストアップして発表していく。

これだと、要請どおり出題範囲を縮小措置する大学とそうでない大学が一目でわかるので、受験生が出願の目安にできる。

 

でも、発表であったように日程をいじるとか、出題形式をいじる(記述→選択問題)とかいうことになってくると、外側から見てなんとなくおさまった体(てい)になるかもしれませんが、個人個人はむちゃくちゃ混乱することになります。

 

 

今回は緊急で特別措置の再考をお願いしたいところです。

まだぎりぎり間に合います。

 

★日程は例年どおりそのまま(いじらない)。

 

★出題範囲だけ2~3か月分 縮小(出題形式はいじらない)。

 

★共通テストの中味をまるまるセンター試験に戻す(名前は「共通テスト」でもいいから)。