2分で読める★大学受験のコッツン!京都編

小・中学生から始める大学受験のコツ。成績下位の人向け勉強法

産近甲龍に落ちて共通テストの英語で5割。でも同志社に合格する理由

 

 

産近甲龍に落ちて共通テストの得点は5~6割、でも同志社に合格する受験生は確実に一定数います。

 

一般的に考えると、とても変な感じがします。 なぜこんなことが起こるのでしょうか。

 

原因の多くは、入試問題のタイプ受験生の偏った得意分野によるものと考えられます。

 

特に英語です。

 

私大の選択肢型の英語に関していうと、タイプは大きく分けて3つあります。

 

①産龍・立命 (標準タイプ型。ほどんどの私大はこれ)

 

②共通テスト型(新タイプ)

 

同志社

 

 

 

①の産龍・立命型は、いわゆる「受験英語」。

 

断片的な知識で得点できる問題の割合が高く、語学としての英語の力が弱くても努力の力技で合格ラインに持っていくことが可能なタイプの入試問題です。

 

語学的なセンスがなくてもコツコツ努力を積み重ねれば、多くの人にチャンスが訪れます。

 

特に京産大の11月入試はこの傾向が顕著です。

 

断片的な知識だけで5割以上の得点が可能となるため、猛烈に勉強さえすれば英語が苦手でも比較的短い期間で合格を勝ち取ることも可能です。

 

 

②の共通テスト型は新タイプ。

 

①のタイプとは非常に対照的です。

 

こちらは、断片的な知識はイマイチ、コツコツ努力の積み重ねが足りなかった人でも、大きく得点できる可能性があるというトンデモナイ(?)入試です。

 

ただし、地力(じりき)・地頭(じあたま)・語学センス・幼少から小学生にかけての経験値などが効いてくる問題ともいえ、ちょっとやそっとの努力ではなんともならないこともあります。 問題の性質上、難関中学入試を経験してきた人なら特別な対策もなく高得点をあげてしまうこともあります。

 

制限時間内に通常では読めないような膨大な文字量を読ませて処理させるという、まるでスピード競争・速読競争のような入試問題です。

が、文章・設問自体の難易度が高くないので、文字を自然に高速に読む人にとっては文字量が障壁にならず何が難しいのか気づかないということもあるようです。

 

 

 

同志社

 

①、②のいずれとも対照的です。

 

同志社の英語は、高校レベルを超える難単語(大学・英検準1級レベル)を散りばめたアカデミックで重厚な超長文がメインです。 高校生であればいくら背伸びして強がってみても「やさしい」と言い切るにはちょっと無理があります。

 

ひたすら長文読解に加え記述の和訳・英作。 小手先の学力ではまったく通用しません。

 

ただ、タイプ①によくある、断片的な知識問題はほぼ皆無。 いわゆる「受験英語(文法・語法を直接問う問題、カッコ抜き・並べ替えなど、受験でしかありえない英語)の勉強が苦手でもほとんど影響がありません。

 

同志社英語は、タイプ②のような速読、スピード読みも不要。 1000語をこえる超長文ではあるものの試験時間が十分あるので、比較的落ち着いて読むことができます。 (仮に共通テスト・スピードで同志社の英語をやってみると、試験時間は少なくとも30分は余ることになるでしょう。)

 

タイプ①②の問題は苦手だが、タイプ③に偏って得意、という人がいます。

 

つまり、シス単の第4章までの難単語を完璧に覚え込み、長文読解が得意、英作文や英文解釈(和訳)にも長けている。 しかし、読むスピードはそれほど速くない。 チマチマした文法・語法・イディオムを扱った空所補充(カッコぬき)や整序問題(並べ替え)は大の苦手。 そういうタイプの人です。

 

こういうタイプの人であれば 京産龍谷に苦戦し、 共通テストの得点で5割そこそこ、 にもかかわらず同志社の英語は9割5分正解して合格、 そんな一見不可解なことが起こりえるのです。 なんとも不思議なものです。

 

 

では、このようなやや特殊な事例から、一体何を学べるのでしょうか?

 

まず、予備校の偏差値・ランキング表を見て上だ下だと騒ぐことがあまり意味をなさないことがわかります。なぜなら模試の偏差値は、ある特定のタイプの問題の結果を輪切りにしたものだからです。

 

また、志望校を確実に合格するための基準が模試ではなく(多くの高校生がこれを基準にする)大学の入試問題そのもの(過去問)にある、という当たり前のことがリアルにわかりますね。

 

過去問の出題形式に沿った最適な戦略を立てて勉強することが合格への最短距離であるということです。

(もちろんいろんな形式どれも得意で、すべて合格するのが一番いいのですが!)

 

 

※ ちなみに、入試問題のタイプは常に①と②と③の3種類に単純に分けられるとは限りません。 たとえば関西大のように①と③の組み合わせ・中間のようなケースもあります。