どうして私立大の入試が急にここまで難しくなったの?(パート1)
関西の私大入試が、急速に難化。
3,4年前では普通に「合格」の人たちが、18年入試以降、ガンガン「不合格」になっています。
まず、どれくらい京都の私大が難化しているのか、データで見てみることにしましょう。
代表的なところで、西日本私大トップ『関関同立』の一角、立命館大学で見てみると・・・
単純に「合格数」の推移で見てみます。
(立命館大学HPより)
ひとつめ、16年入試の合格数が、3万2千弱。
ふたつめ、前回18年で、2万5千弱。
なんと、たった2年で7千人弱も多く不合格になっています。
つまり、2年前だったら立命館大に合格できていたレベル人たちが、18年入試では7千人も、「大量不合格」になっているのです。
いったい何が起こっているのでしょうか?
実は、これは立命館大だけの出来事ではありません。
ほかの大学はどうなっているのか見てみましょう。
次に、西日本私大ベスト8『産近甲龍』の一角、京都産業大でみると、 こちらはもっと恐ろしいデータが出てきます。
京都産業大といえば1990年代には、「関関同立・産」とさえ言われ、関関同立の一角に食い込む勢いでした。しかし、2000年代に入って失速、今は中堅私大グループのトップ位置に落ち着きました。
ただ、大企業への就職率では、相変わらず国公立大と並ぶ強さを見せ、理系学部の先進性や広報活動の活発さなど、京都では数少ない「イケイケ大学」です。
しかし、国公立大や関関同立・龍谷大との併願受験では、両方合格した受験生の歩留まり(入学するということ)の悪さから、かなり水増し合格を出す傾向がありました。
特に、秋の『公募推薦』と称する実質の前倒し入試では、(「推薦」なのに ほぼ学科試験で判定)、その合格ラインの「ディスカウントぶり」はすさまじく、「京産大を第一志望で狙うなら公募」が、なかば常識化していました。
4年前の2015年入試ごろまでは、人気の「準難関大」にしては、全体的におだやかな雰囲気です。
(京都産業大学HPより)
倍率も、5倍をこえる学部は、一部の人気学部に限られていますね。
それが、、、18年度入試から急転します。
倍率だけをざっとみても、5倍以下の学部を探すのが難しくなっています。
京都産業大の文系といえば、経済学部と法学部・法律学科が毎年コンスタントに合格ラインが低めで正直なところ、狙い目でした。
うちの教室では、毎年、「学部なんでもいいから、なにがなんでも京産大!」という生徒にはこの2つのどちらかの学部・学科をキメ打ちするようアドバイスしていました。
また、国公立大組・関関同立組の併願にもこの2つの受験はコスパがよく、オトク感がありました。(うちのような小さな教室で過去に京産大の合格がやたら多かったのは、ピンポイントで狙い撃ちをしていたということもありました。)
ところが・・・
なんと、15年から18年で経済学部は合格数が半数以下、法律学科にいたっては一気に4分の1です。
ものすごく ざっくりですが、こんなイメージ・・・?
つまり、法律学科の受験は、以前の合格の その上位4分の1で合格するくらいぶっちぎりでないと今はビリでも合格できない状態になっている と考えてほぼ間違いなさそうです。
「真ん中より上」くらいの学力ではかすりもしないということになります。
また、京産大の理系学部はAI、IOT、ネットワーク、データサイエンス、
脳科学、素粒子、宇宙、バイオ、遺伝子組み換え…などなど理系の主流になる分野を学べる学部が揃い、すっかり「理系の大学」のイメージが定着してきました。
理系ブームの影響もあってここ数年で急速に人気化した情報理工学部(旧・コンピュータ理工学部)や京産大の目玉である宇宙物理・気象学科、生命科学部は見た瞬間、受験する気が失せるくらいの高倍率になっています。
最新19年秋の公募入試(基礎評価型)
むむ・・・なんだか、気が遠くなりそうですね。。
しかし! たかが倍率。 要は、点をとればいいのです。
京産大の入試には、わかりやすい攻略法があります。
また機会があれば京産大の攻略法についても書いてみたいところですが いったん置いといて、、、
この私大の急激な難化は国の制度変更が原因でした。
(パート2に続く)