2分で読める★大学受験のコッツン!京都編

小・中学生から始める大学受験のコツ。成績下位の人向け勉強法

紙の辞書を使えば成績が上がる(その1)

 

クラスで英語が得意な友人は

わからない単語があると

慣れた感じでササッと

電子辞書を使って調べます。 

 

なんかちょっと、カッコいい。

 

友人の真似をして

電子辞書で単語を引いてみるのですが、

でも、何か、しっくりきません。

 

友人のように、そのあとが

うまく続かないのです。

 

 

その時 意味がわかるんだけど

30分もたつともう

さっき調べたばかりの意味を

忘れています。

 

電子辞書で英語を勉強していても、

ただ「その場しのぎ」してるみたい。

受験に役に立つことをしている

自信がもてません。

 

「勉強やった感」がないのです。

 

英語が得意な友人のやり方を

真似しているのだから、

 無意味なわけがないのですが、

 

 力がついているという実感が

全然ないのです。

 

 

 

 ・・・その時、

あの先生がずっと前に、

やたら紙の辞書を奨めていたのを

突然思い出しました。

 

今どき紙の辞書なんて

めんどくさいこと言うなあ、

と思ってその時は気にもとめて

いなかったのですが、

 

急になんとなく

試してみようという気になって、

 

ケースに入ったまま一度も使わず

置いていた分厚い辞書を手に取り、

英語の勉強を始めます。

 

 

 問題集を開くと、

さっそく1行目からわからない単語が

目に飛び込んできたので

パラパラと辞書をめくります。

 

紙の辞書は、

ページをめくって単語をさがすので

手間がかかる。

 

ようやく単語を見つけ出し、

びっしりと書かれた文字の中から

当てはまる意味を発見。

 

えっと・・・

これで本当に英語が得意になるの??

 

 

そして、 紙の辞書を使い始めて

数日たったある日、

ふと気づきます。

 

単語の意味を調べたときに、

2番手・3番手・・・

そして8番手までの意味と例文が

ぱっと見渡せて、

 

「へー!こんな意味もあるんだ。」

と、予想してなかった発見があります。

 

たとえば 長文の中で meet という単語が

出てきたのですが、

「~に会う」と訳してみても

どうもしっくりいかないので、

念のために辞書を引いてみると、

「(要求)を満たす」という意味があり、

その使い方の例文までが目に入って

「へ~!」となります。

 

せっかく時間をかけて単語を引いたので、

何かやった跡を残しておきたくなって、

赤ペンで自分が調べた部分に

ラインを引いておきます。

 

f:id:ax76445483:20191005161100j:plain



 

電子辞書の時とあきらかに違うのは、

辞書に赤ラインを引くたびに

「勉強してる~!」という

快感があります。

 

別にそれで単語が完璧に

覚えられたわけではないし

ただ赤でラインを引いている

だけなのですが、

そんなちょっとした充実感

のようなものも大事な気がします。

 

でも当然ながら、

せっかく調べた単語も

数日後には

記憶の彼方に消えていって

しまいます・・・。

(意味ないのでは?)

 

 

 

数か月後、たまたま medical (医学の) 

という単語を辞書で引くことがありました。

 

すると同じページに、

いつだったかもう忘れていたけれど、

meet 「(要求)を満たす」

調べたことがあって、

赤のラインが入っているのが目に入ります。

 

おー! こんなの調べてたんだ!」

と、自分で赤ペンまで入れているのに

まったく忘れてしまっていることが

ちょっと面白いです。

 

「meet ってこんな意味もあったっけんだ!

そういやそんなの、あったっけ!」

 

気のせいかもしれませんが、

なんとなく調べたことがあるような、

ないような。。。

 

その下の例文にも

同じく赤ラインが入っています。

 

We cannot meet  the demands of the hijackers.

乗っ取り犯たちの要求には応じられない

 ※『ライトハウス』より

 

「あー! そういや、あった、あった!」

思い出しました。

 

そしてその時、その英単語が、

自分の中で「モノになった」ような

気がしました。

 

 

・・・なるほど!

この再会こそが紙の辞書か!

あの先生がしつこく言っていたのは

このことか!

 

ストンと腑(ふ)に落ちます。

 

英語の勉強では毎回毎回、

こまかい知識がバラバラで登場する。

一度ですべて記憶するなんて、無理。

 

その時は頭に入れたつもりでも、

数日後・数か月後には完全に消えている。

 

過去に一度やったことを忘れている、

ということすら気づかず、 

初めて見た単語のように同じことを

繰り返す。

 

 

でも、紙の辞書を使って

自分が調べた跡を丹念に残していくと、

自然に何度も目に入るので、

結果的にそれが復習となり、

一度費やした勉強時間が、

無駄にならない。

すべて活かすことができる。

 

実際、自分が過去に引いた単語に

意図せず出くわしたとき、はじめて

紙の辞書の使い方が理解できました。

 

するとそこからあとは、もう

辞書のページに赤のラインを

引いていくことが楽しくなってきます。

 

そのうち

「全部のページに赤が入っている状態にしたい!」

となって、

赤ラインを入れること自体が

軽く快感になっていきます。

 

半年たって気づいたら、

全部のページのどこかに赤のラインが

入っていて、

パラパラとページをめくっているだけで

 

「おー よくがんばったな、自分!」

 

と、なんだか楽しくなってきました。

 

しまいにはその辞書がかわいくて

しかたなくなってきて(!)

わけもなくその分厚い辞書を

手でつかんでみたり、なでてみたり。

(ヘンタイ?!)

 

辞書ケースには油性ペンで

大好きな歌手のイラストまで

描いてしまいました。

 

 そうこうしているうちに、

36だった偏差値が51!

ついに50の大台にのります。

 
そこからの成績の伸びは
右肩上がりというか指数関数的で、
 
さらに数か月後には、
あの駿台模試
偏差値60をこえてしまいました。
 
 
 
ある時、外出先で紙の辞書が
手元になかったので、
気になった英単語をスマホ
ネット辞書で調べます。
 
英語が苦手だった時は
電子辞書やネット辞書で
単語を引いても、
不思議に頭に入ってこなかった
のですが、
 
いまはなぜかスッと入って
くるから不思議です。
 
このとき、電子辞書を
スマートに使いこなしていた
あの友人の状態に、
今の自分があることに気づきました。
 
そうなんです。
 
学力が一定の水準をこえてしまうと、
そこからのプラスアルファは
スンナリ頭に入るようになるのです。
 
おそらくこれは、
英語の知識が頭の中で整理されてたため、
新しいものが来た時に、
・スペル
・意味
・用法
・品詞
など、
過去の知識・体系のどれかのパターンに
属することを瞬間に判別して自然に
分類しているからなのでしょう。
 
 
これはすごい発見でした。
 
たとえばスポーツでも初めは、
ボールを蹴っても、打っても、
思ったところにまっすぐとぶように
コントロールできませんが、
ある域まで上達してしまうと
応用的なむずかしい動作が、
少しの練習でぱっとできるのと
似ています。
 
 
 
今までは、 
「紙の辞書を使いなさい。」
という先生がいるかと思えば
「電子辞書でだいじょうぶ。」
という先生もいて、
 
先生によって言うことが逆なので、
どちらが正しいのかよくわかりませんでした。
 
しかし、わかったことは、
どちらも正しい、ということです。
 
ただ、
「紙の辞書でガッツリ
勉強するべきステージ」
と、
「電子辞書でもスンナリ
理解できるステージ」
 
がある、ということでした。